最近マンゴーの季節になってきたせいかアクセスが増えています。
みなさんマンゴーラッシュになった際は ” 蚊に刺された程度 ” の時が勝負です。
その時に抗生物質を飲めば症状の広がりをだいぶ食い止めることができ、結果的に抗生物質を飲む量を控えることができます。広がってからでは並大抵の抗生物資では食い止められないので、早めの処置をおすすめします!
マンゴーアレルギーと違ってマンゴーラッシュは命に関わることではないので、マンゴーラッシュが落ち着くまで待つと言う選択肢もあります。しかし私のようにマンゴーラッシュが広い範囲で飛び火するような人は地獄を味わいます。
ボーウェンのマンゴーはオーストラリアにある数あるマンゴーの品種の中でも特に美味しいと評判です。私も滞在している時にアホほどマンゴーを食べていたので「機会があればマンゴーの仕事してみたいなー」と思っていました。
マンゴーのピッキングはマンゴーアレルギー(マンゴーラッシュと言います)になって3日で人がやめると言う話しを予め聞いていたため「うーんそれは嫌!」と思っていた私は、パッキングの仕事に応募することにしました。
ボーエンのトマトのシーズンは10月末頃まで。その後ファームの後処理(スティックやプラスチック回収)が終わった11月後半ごろからマンゴーのシーズンが始まります。少しデイオフが多くなるかもしれないけれど、学校の課題が溜まっていたので、仕事はゆっくりでもいいかなーと思っていました。
学校に呼び出される
私の課題が思った以上に酷すぎる状態で、学校のマネージャーから連絡があり、ブリスベンの学校まで行かなくてはならなくなりました。実は先生の話しを聞いてから新しい課題を提出しさえすればブリスベンまで行かなくてよかったのですが、その時の私はそこまで聞く勇気がなく、ブリスベンまで行ってしまいます。

そして私がブリスベンに行っている間にタイミング悪くマンゴーのシーズンが開始。
当然私がボーエンに帰った頃にはポジションはなくなり、仕事を失ってしまいました。
仕方なくマンゴーウォッシングの仕事に
マンゴーのピッキングは女性には辛い仕事だから、ウォッシングに行ったら?と言われ、その時の私に選択肢は無かったので泣く泣くウォッシングの仕事に行くことになりました。一緒にウォッシングした友達と、ピッキングしている人達はみんな友達だったので、初日と2日目はとても楽しかった。
しかしこのウォッシングの仕事、恐らくピッキングよりもアレルギーになる可能性の高い仕事です。
ウォッシングの仕事と言うのはその名の通り、マンゴーを洗う仕事です。マンゴーの枝から出るマンゴーのジュースに強烈なアレルゲンがあり、そのまま汁で汚れたままにしておくとお客さんがその汁に触ってアレルギーになる可能性がある上に、赤褐色に色が変色して見た目も悪くなります。
なのでピッカーがマンゴーをピックしているその隣で超強力な洗剤が入った水にマンゴーを浸す必要があります。私たちの仕事はそのマンゴージュースと洗剤だらけになった水の中に手をつっこみ、マンゴーのヘタ(ストック)を取ってバケツに選り分けて行きます。
これ、言葉で説明するのが難しいんですが、カッパなどを着ていないと体の前半分全て濡れます。液体を吸った服が体に張り付いて更に経皮吸収の倍率を上げますし、非常に危険です。その時の写真がないのが悔しい・・・
初日はそんな現場だと知らなかったからエプロンやカッパを持ってきていなかったし、持ってきていたとしても腕は絶対に不可避です。
3日後からすでに痒い

左が1週間後、真ん中が4日後、右が1ヶ月後です。膝上の肉がブリブリになっているのは膨張して伸びた皮膚が、腫れが引いた後に弛んだため。
1日働き、その次はデイオフでした。そしてその次の日にまたマンゴー再開。その時に腕の湿疹に気がつきました。なんか、湿疹はないけど仕事中足も痛痒いし。。。
この時にすぐにホスピタルに行って抗生物質をもらっていれば早く収まったかもしれません。しかしこういったものは大概初めはどのくらいやばい状態なのか気がつかないことが多く、気がついた時には時すでに遅しなんですよね。
ファーマーシーに行ってマンゴーラッシュなんだけどどうしたらいい?と聞いて回りましたが、どこのファーマシーも塗り薬しか処方してくれませんでした。恐らく痒み止めの飲み薬くらいは言えば処方してくれると思うのですが・・・痒み止めだけでは根本的な解決になりません。
4日目くらいから痒みが酷すぎて眠れなくなってきました。腕、太ももから徐々に広がって、最終的には胸、腹、顔つまり体の前半分全てに広がって行きました。
一番酷かったのはもちろん腕で、前腕は水ぶくれで覆われ、1.5倍くらいの太さにパンパンに腕が膨れ上がり、引っ張られた皮膚がミシミシ言ってました。
さすがに危機感を感じてホスピタルに
クリスマス前のシーズンと言うこともあってか、その時ボーエンにはドクターが全くいませんでした。予約をしたくてもどのメディカルセンターにもドクターがいない!緊急事態ならホスピタルに行ってくれと言われました。
うそやーんと思ったものの、背に腹は変えられない。日曜日でしたがホスピタルに行くことになりました。ホスピタルはアポなしでもその日のうちにドクターに看てもらえます。しかしドクターの診断だけでかかった費用は$537 (薬代別)(学生ビザ保険で半分返ってきました)
その時ドクターに処方された抗生物質は日本で処方される5倍の強さの抗生物質で、5日分しか処方してもらえませんでした。それくらい抗生物質って危ないものなんですね。
しかしたったの5日分でこのアレルギーは治らんだろ!!オーストラリアの医者信頼できねぇ怖い!と思った私は日本の実家に一時帰国することにしました。
ケアンズに行くバスですら辛い
ボーエンから日本に帰るまでに必要な時間は以下の通りです。
- ボーエン→ケアンズ(バスで8時間)
- ケアンズ 8時間(飛行機待ち)
- ケアンズ→東京(飛行機7時間)
これね、ケアンズに到着した時点ですでに痒みのピークが来てました。
ヒスタミン(かゆみ止め)をもらって飲んでいたのにも関わらず、痒みが引いて行きません。ヒスタミンの薬ではカバーできないくらい症状が悪化していたんでしょうね。
この痒みに対抗するには、実はめちゃくちゃ熱いお湯をかけると痒みが一瞬で引く、と言うものでした。冷たいお水じゃないの?と思うかもしれないのですが、冷たいお水が触れている間は痒みが収まりますが、お水に触れていない時はめちゃくちゃ痒くなります。お湯をかけると3〜4時間くらい痒みが引きます。
しかしケアンズのシャワーは全部冷たい水。昔は空港に熱いシャワーを浴びることができるシャワールームがあったようですが、今はありません涙
しかし一刻も早く日本に帰りたかったので、ケアンズで一泊することもなく、飛行機の中で悶え苦しみながら帰国しました。
大分の病院に行くと
「これだけ酷いと強い注射を打って一発で直した方がいいけど、腕があまりに酷すぎて(血管が見えないから)注射打てないね」と言われてしまい、普通の軟膏とヒスタミンを貰いました。
するとどうでしょう?あれだけ何を塗ってもだめだった(むしろ抗生物質クリーム塗ったら更に酷くなった)のに、軟膏を塗った湿疹が徐々に引いていき、1週間後にはかなりマシになりました。水ぶくれがジクジクと熱を発することもなく、作用がすごく穏やかだなぁと言う印象。
これはオーストラリアで処方された抗生物質の効果が遅れてやってきたのか?軟膏のせいなのか?それとも湿疹のピークが過ぎていたのか?でも軟膏を塗るまでは膿と湿疹は広がり続けていた。
日本の薬がすごいのか?と言うか日本のお医者さんがすごいのか?それともお風呂に入れたEM菌がよかったのか?今ではわかりません笑
パッキングならアレルギーの心配はあまりありません
同じウォッシングの仕事でも私の例はかなり酷いようですが、日本人は比較的マンゴーアレルギーになりやすいと思います。私の日本人の友達も大変だったと言っていました。
ピッキングの仕事も、時々ウォッシングの仕事を手伝ったり、水をかぶったりします。アレルギーが怖いならゴーグルをしたりカッパを着たりするなり初日から万全の対策が必要になります。
バナナパッキングの仕事のように防水エプロンをすると言うこともできますが、エプロンでは防ぎきることはできません。最低カッパを着ないとマンゴーラッシュの脅威から逃れることはできません。もしくは初日から抗生物質を飲み始めるかです。

普通、こういうのはファーム側がワーカーを雇う前にしっかりインダクションを開いて教育しなければならないと思うのですが(タリーのバナナファームは装備品の装着義務と教育がしっかりしています) ボーエンのマンゴーファームの評判が悪いのはこう言ったところから来ているのかもしれませんね。
ちなみにマンゴーラッシュになっても、マンゴーは食べられます。勘違いしている人がいますが食べた時のアレルギーと、触った時になるアレルギーは全く別もので、食べてアレルギーになった場合、命が危ないです。
マンゴーラッシュに一度なったことがある人は、マンゴージュースやマンゴーの皮に触らないようにだけ注意をすれば、マンゴー自体は食べられます。(実証済み)
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