オーストラリアで生活していると日本ではありえないトラブルが起こります。
私の身に起きたトラブルは普通のワーキングホリデーの方であれば早急に回避できる、もしくは普通は危険度に気が付いて早めに逃げると思うので、私の場合は行動がかなりの悪手だったと言えます。
場所
ことが起きたのはボーウェン。ファームの名前はEatough Farmと言うファームです。トマトのチームピッキングでかなりハードな仕事でも有名ですし、いろんな意味で悪評が高いファームでした。

私は2シーズンこのEatough Farmで働いたのですが、1シーズン目の時も支払いは3週間遅れたりと異常でした。しかしベトナム人コントラクターの彼は信頼の置ける人だったので、事実その時は全額支払われました。
そもそもコントラクターって何?
ファーマーの代わりにファームで働ける人材を探し、紹介して、その手間賃としてワーカーが働いた賃金の中からお金を得る職業の人です。仲介業者と言ったところでしょうか。下記記事でも詳しく供述しているので参考までに。

問題はコントラクター?
問題は私がこのファームで働き初めて2度目のシーズンでした。コントラクターが変わりました。そのコントラクターはEatough以外のファームでお世話になり、ちょっと口が上手い感じでおべっかを言うのが気持ち悪いな、と言う印象だけど、支払いはしっかりしていたので信用していたのですが、この人がEatoughのコントラを引き受けた時に問題が発生。
ファーマーから支払いが遅れていると言う手口
彼はファーマーからの支払いが遅いと言って、初めの月からすでに支払いが遅くなりました。シーズン初めでお金がもらえていないのは生活が苦しいと言うことで、一人$700ずつ取り敢えず仮払いをしたりして支払いを伸ばしていました。
支払いが遅れている証拠だと言って以前給料の支払いがあった口座の履歴を見せてもらったりしていました。
ここでややこしいのが、コントラクターにはメインのコントラクターとサブコントラクターがいました。
メインコントラクターとサブコントラクター
メインコントラクターが請け負っていた仕事があまりに多い場合は、サブコントラクターが現場の管理をします。
私が見た印象ではメインはなんもしとらんやろ?と言うくらいで、メインコントラクターはボーエンに滞在すらしていませんでした。
そのメインコントラクターは確認されているだけで4つのファームのコントラを引き受けています。
- Eatough
- Jurgen Farm
- Jim Farm
- Isabella Farm
この4つのファームはかなり大規模なファームなので、ピッキングだけのコントラでもかなりの人手を要します。
なのでメインコントラクターは二人のサブコントラクターを雇っていました。そして支払いの流れはこうです。
- ファームからの支払いはメインコントラクターが受け取る
- メインコントラクターは自分の取り分を引いた金額をサブコントラクターに送る
- サブコントラクターがワーカー達にお金を分配。
そしてそのサブコントラクターはメインコントラクターからお金が振り込まれていないと言っていました。
原因はミッシングビン?
ちょっとややこしいのでコントラクターの国籍をばらしますと
メイン(トンガ人) ー サブ(トンガ人の兄弟)
└サブ(トルコ人) ←私の初期コントラ
このような関係図になっていて、どういう訳かトンガ人のサブコンは支払いが遅れていませんでした。メインのコントラクターはすでにトルコ人のサブコンに全額支払っていると言っていて、それなのにトルコ人のサブコンは支払いが遅いのはおかしいので私達がトルコ人を問い詰めるのは当然の成り行きだと思います。
しかし彼はこう言いました。
「ミッシングビンだ」「はぁ!?」
Eatough Farmと言うのは親会社がKapiris Brosと言うメルボルンにある会社で、サブコンの彼は本社の経理と連絡を取った結果、なぜかこの期間のトマトのビンがカウントされていない。つまりミッシングだと言いました。
つまり、メインのコントラクターが自分のお給料を取った後、自分の弟であるトンガ人のサブコンには正確な金額を支払い、残った金額をトルコ人のサブコンに支払いをしていた(つまり計算をしていない)のだが、その金額が足りないから本社の経理に聞いたらまずビンのカウント自体が可笑しかったと言う理屈のようです。
しかし私たちはその理屈に納得できなかったのでグループ全員やめると言い出しました。
トンガ人のサブコンに説得され継続
全員やめるとなると仕事は急に見つかりません。ピッキングのチームは全員で14人います。トルコ人のサブコンはEatoughのサブコンを降りたので、トンガ人のサブコンが新たに14人探さなくてはなりません。
なので彼は支払いは必ずするから仕事をやめないでくれと私たちのチームを説得しました。事実彼が担当してから1ヶ月半は遅れずに支払ってくれました。しかし・・・
シーズンの終わり頃になるとまた遅延
トンガ人のサブコンも、シーズンの終わり頃になるとお給料が遅れました。
彼もまたファームが支払いをしていないと言い出し、恐らく正月には支払われるだろうと言って、自分はニュージーランドに帰国するからメインのコントラクターからの連絡を待てと言って逃げようとしていました。
私達ができたこと
まず、メインのコントラクターと連絡は取りました。しかし彼も同じでファームからの支払いがまだだと言ったので私たちはファーマーに連絡。
Eatoughファームのボスに連絡しても彼は経理のことは全く関与していないので私達は本社のマネージャーに連絡をしました。すると、彼はすべて支払ったと言い、メインコントラは、まだ貰っていないと言う冗談のような会話が延々と繰り広げられていました。
Fair Work Ombudsmanにももちろん連絡してどうにか支払って貰えないか聞いてくれと言いましたが、彼らは一度コントラクターに連絡を取ってくれただけで、あまり意味がありませんでした。
ペイスリップと雇用者側のABNと住所、電話番号、本名があると彼らの動きが実にスムーズなので、必ずそれらを伝えるようにしましょう。
最後にコントラクターに脅しをかけてみましたが、無残でした。私が得られなかったお給料の総額はトルコ人から$1,180、トンガ人から$1,590で総額$2,770となりました。
ちなみに支払われなかったのはピッキングを担当しているこの二人のコントラクターからで、プルーニングや他の時給の仕事をしていた人、パッキングの仕事の人たちはお金が全額支払われました。彼らのコントラは全く違う人が請け負っています。
それに永住権を持っているピッカーから聞くと、このファームはお給料が遅れることはあっても、払われなかった年は今年が初めてだよ、と言っていました。
コントラクターを信用しないこと
恐らく多くの人の場合は初めの段階でこの仕事をやめていると思います。しかし$200~300の損失は逃れられなかったでしょう。
ボーエンには残念ながら悪質なコントラクターが多く、私はDonmoreと言うファームで働いている時も、インドネシア人コントラクターから総額$400支払われませんでした。彼は他にもワーカーのお金を不規則にポケットマネーに入れています。
一番いいのは仕事を探す時、コントラクターを通さないこと。
ボーエンならラグビーファームやマルゴウィーファーム、ピッキングで稼ぐならブラックパックかコリラファームと言った具合です。

しかしなかなかこれらの優良ファームの仕事をゲットするのは難しいんですよね。だからお金が底をつきそうになったワーカーが仕方なくコントラクターに雇われているのが現状でしょう。車がない人ならなおさらです。
バックパッカーですらもコントラクターと同じでお金をせしめるところもあります。みなさん仕事探しはくれぐれもご注意を・・・
特に私が紹介した4つのファームと、トンガ系トルコ系のコントラクターは注意してください。と言っても韓国も台湾もインドネシア、マレーシアも危ない人だらけなんですが・・・
ちなみにスーパーバイザーの場合はあまり警戒しなくても大丈夫かもしれません。彼らがワーカーの支払いを担当することはないので。ただ、それも色々なケースがあると思うので、参考程度にしてください。
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